2007.09.24

日本の隠れた貧困の状況を探して

最近、日本のワーキングプアの状況に関する本*を読みました。その中では、毎日努力してもネットカフェでの暮らしから抜けられない若者、パートの仕事を掛け持ちしながら毎日睡眠時間4時間で2人のこどもを育てているシングルマザー、80歳を過ぎても年金がもらえず空き缶集めをする老夫婦の話などが取り上げられていました。元々はテレビの特集だったものなので、ご覧になった方も多いかと思います。

私たちセカンドハーベストジャパンは、経済的に困窮している人たちに食料を届けることをミッションとしています。多くの人は、それを「ホームレスを支援している」と解釈するようです。それも間違いではないのですが、ホームレスの人たち以外にも多くの人が経済的に厳しい状況にあり、むしろそういった人たちの支援が私たちの活動の大部分を占めています。そして、これらの支援をさらに広げていきたいと考えています。

実際、政府の発表するホームレスの人数は約25,000人(厚生労働省調査)と言われています。これも看過すべき数字ではないのですが、年金をもらえない高齢者の数は、約444,000人(社保庁調査、2004年)だそうです。また、母子家庭は、全国に123万世帯あり、その8割以上が働いているが、その平均年収は225万円ということです。(例えば、パートを2つ掛け持ちしているシングルマザーの年収が、100万円ちょっとということも現実にあるわけです)ホームレスの人たちが依然、最も厳しい生活環境におかれているという点は変わりないかもしれませんが、数の上で日本の貧困というものを構成しているマジョリティーは実はもっと隠れたところにあるのではないでしょうか。見えないところで苦しんでいる人たち、彼らの声をいかに上手に拾って支援につなげていくかが私たちのこれからの課題です。

今年の11月から年末にかけて、セカンドハーベストジャパンは、カーブスジャパンと組んで全国規模のフードドライブを行います。このプロジェクトの直接対象となる人たちは、上に挙げたような見えない貧困層の人たちです。今回のプロジェクトを契機として、将来的に、全国各地域で食べ物に困った人たちが地元で気軽に食品をもらいにいける場所ができてくることを願っています。

文章:和田裕介(事務局長)

*NHKスペシャル 「ワーキングプア」取材班・編 (2007) 『ワーキングプア日本を蝕む病』 株式会社ポプラ社

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