2006.12.16

セカンドハーベストジャパンに食料を提供して3年 ハインツ日本

2003年の夏。ハインツ日本(本社・東京都台東区)の取締役ポール・モリさんは帰宅途中、路上に止まった一台のバンに「Food Bank Japan」の文字を見つけました。家に戻るやインターネットでそのホームページを探し出し、旧Food Bank Japan、現セカンドハーベストジャパンの代表チャールズ・マクジルトンとコンタクトをとったのです。

「私の出身国、米国では、大手の食品会社がフードバンクの活動にかかわるのは当たり前のことでした。日本にはなぜこのような活動がないのだろう、と不思議に思っていたところ、偶然団体のバンが目に入ったのです」とモリさん。早速、会社の経営陣にかけあい、食料を寄付することを決めました。

ケチャップやデミグラスソースで知られる食品会社、ハインツ日本は以来、缶詰やレトルト、冷凍食品など、月平均約350キロの自社製品をセカンドハーベストジャパンに提供しています。

「例えば、賞味期限が規定の日数以上残っていないと流通サイドに受け入れてもらえないため、まだ十分食べられる製品でも廃棄しなければなりません。おいしく食べてもらいたい、と作った製品が無惨に捨てられるのは、食品会社の社員にとっては何よりもつらいことでした」と同社のセルジオ・ソーサ社長は言います。それまで無駄に捨てられていた食料が、必要としている人たちの役に立つ。しかも、企業の側も貯蔵・廃棄などにかかるコストを削減できるのですから「みんながハッピーになる活動だと思います」。

アフリカ各地での勤務も長かったソーサ社長は、食料や飢えの問題には人一倍敏感です。先日、自らセカンドハーベストジャパンのボランティアも体験し、児童養護施設の子どもたちに野菜やジュースなどを届けました。将来的には同社の社員がみな、月に1回はボランティアとして活動に参加できるよう、態勢を整えたいそうです。

Heinz Japan Sergio Sousa
同社提供

「私の出身国ポルトガルでも米国同様、フードバンクの活動はとても盛んです。税制や社会システムもボランティア団体の活動をバックアップし、その結果22万人に365日、毎日2食の食事が提供されています」とソーサ社長。「この点では、ポルトガルは日本よりかなり進んでいます。外国で災害が起きると、すぐ援助の手を差しのべる日本なのに、自国内の貧しい人たちの問題は見えにくいのではないでしょうか」

セカンドハーベストジャパンとの偶然の出合いから3年。一人の行動が企業を動かし、その貢献によって何万という人々が空腹から救われることを、ハインツ日本は示してくれています。

文章:大原悦子

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