2008.03.16

地味ですが、大切な仕事:金曜日の下ごしらえ

ちょっと自慢させてください。ご飯にポテトサラダ、卵焼き、おひたしなどの副菜、それに暖かいスープ。

これ、毎週土曜日に上野公園で行っている2HJの炊き出しなんです。その日に使用できる食材によりメニューが異なる場合もありますが、それにしても、なかなか手が込んでいるでしょう?

土曜日の炊き出しでの配給は、毎週ゆうに400食を超え、用意する食料はかなりの量になります。それには、炊き出し当日の調理だけでは間に合わないため、前日の金曜日にあらかじめ野菜を切ったり茹でたりといった下ごしらえをしています。

毎週金曜日、朝9時頃から、2HJ事務所にボランティアが集まり始めます。長机2脚とガス炊飯器を事務所脇の道端にセットし、包丁とまな板を持ったらいざ作業開始。その日に利用可能な生鮮野菜をおひたしやスープに使いやすい大きさに切っていきます。

fresh veggies

chopping daikon

また、ガス炊飯器でお湯を沸かし、ミックスベジタブルや小松菜などの冷凍野菜、また肉や卵、じゃがいもなどがあれば、それも茹でていきます。

cooked mixed veggies

調理場は戸外。冬場は相当に冷えますが、作業は和やかなムードで進められていきます。道端での作業のため、通りがかりの方に、この野菜どうするの?と尋ねられ、炊き出しや2HJの説明をすることもしばしば。
参加するボランティアは、主婦、大学生、親子連れ、外国人、転職の合間の社会人、会社を休職中の方など様々です。参加の動機、頻度、年齢や宗教などもそれぞれ異なりますが、現場では同じボランティア同士。作業はいたってシンプルなので、コミュニケーションを楽しみながら協力して下ごしらえを進めます。

Friday cooking volunteers

「世の中には、天から与えられた使命を持って誕生してくる人間がいる。たとえば、ガンジーやマザーテレサ、瀬戸内寂聴など。もしそういう事があるとしたら、チャールズ氏もそのひとりかもしれない。そのような直感をもってボランティアに来るようになりました。」1年前ごろから、毎週金曜日の調理に参加を続けるミッション・エルザさん。続けてこう語ります。「地球上には、飽食の国と貧困の国がある。他者のためにちょっとずつ愛を与えてあげられたら、心豊かな人生になるでしょう。」

なお、野菜をはじめ、炊き出しで使用されるほぼすべての食料は寄付で賄われており、2HJでは調味料など最小限のもののみを購入しています。

廃棄される運命にあった食料は、2HJへの寄付を経て、食料を必要とする人々の元へ届けられます。大部分の食料はそのまま、児童養護施設、女性シェルター、老人ホームなどの諸団体に配送され、それら団体から個人へ提供されます。また、寄付された食料の一部は、エルザさんなど金曜日のボランティアによる下ごしらえの後、土曜日の炊き出しで暖かい食事へと生まれ変わり、直接、栄養を必要とする人々の手に渡っていきます。

飽食の社会から一歩を踏み出して、余った食料を必要なところへ再配分する社会へと。善意、という言い方は大げさかもしれませんが、たくさんの企業と個人が、「社会の一員であること」を認識するところから始まる、エキサイティングな新しい社会システムの試み。その一端に、あなたもぜひ参加してみませんか?

文章/写真:吉田由佳里

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