2008.05.26

ハーベストニュース:2008年2号

セカンドハーベスト ジャパンのニュースレター、ハーベストニュースには、2HJや日本のフードバンク活動に関するストーリーや情報が載っています。カラー版をダウンロードしてご家族や友人、同僚にも見せてあげてください。

2008年2号の内容:

-新車両での冷凍食品の配送
-新倉庫スペースとともに拡大
-大根掘り
-グローバルフードバンキングネットワーク訪問
-ボランティアストーリー金曜日の調理作業
-2HJひと口ニュース

Harvest News 2008 No. 2 cover

ハーベストニュース2008年2号 [PDF: 2698 KB]

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2008.05.13

グローバル・フードバンキング・ネットワーク(GFN)を訪問して

グローバル・フードバンキング・ネットワーク(GFN)がテキサスのサンアントニオにて毎年恒例のフードバンクに関する研修を最近行いました。この研修は、世界中から集まるフードバンクにとって一堂に会し、最新のフードバンク事情を学ぶと同時に、それぞれの問題や成功について共有する機会になりました。今年はGFNが、一歩進んで参加者の要望を満たしてくれました。各研修日の最後に、GFNからアンケートが手渡され、次の日のカリキュラムは参加者の回答に合わせて修正されました。参加者がフードバンクの基本的な説明よりも、議論をする場をもっと設けてほしいということが週の始めのうちに明らかになるや、GFNは各セッションにディスカッションタイムを設けてこれに応えました。

San Antonio Food Bank

16人のフードバンカーが10カ国から発展レベルにおいてあらゆる状況を代表して集まり、研修に参加しました。中には、長年活動をしており、一日に数トンもの食品を提供するフードバンクもありました。逆に、これから食品の引き取りと配送のためのシステマチックな方法を作り上げて行こうという段階のフードバンクもありました。GFNが2名のフルタイムスタッフを派遣し深くかかわっている南アフリカでは、独立した食品の引き取り活動から、全国的なフードバンクネットワーク構築への転換期にありました。南アフリカの食品引き取り活動の代表者や南アフリカ政府代表者が出席しており、南アフリカの事例が最も魅力的でした。各代表者が自分たちのフードバンクで起こっていること、直面している課題、また多様な利害関係者間の需要や利益をバランスさせていくという非常に難しい問題についてそれぞれの見解を持っていました。GFNがこのような各フードバンクの発展をいかに手助けしていくのかは、とても興味ぶかいです。

GFNのアジア代表メンバーとして、2HJはフィリピンの代表者を参加させるという役割を担いました。フィリピンのフードバンク活動は、始まったばかりで、フィリピン代表者にとって、類似の社会経済的課題を持つ国の代表者に会えたことは、そのような国がどうやってフードバンクを成長させてきたかを知る上でとても役立ちました。2HJにとっても今回の研修旅行は、ネットワーク構築を進め、GFNのサポーターであるケロッグやP&Gといった企業とのつながりを作れた点でよい機会でした。P&Gは、アジアでも寄付を検討しており、2HJにアジア地域での指導的役割を期待しています。

テキサス最大のスーパーマーケットチェーンであり、メキシコにも出店しているH-E-Bが、2007年と2008年に自社の本部でGFNの研修を主催してくれました。本部の敷地を歩き、従業員と話していると、真に先進的な企業がどのような企業なのかといったことの意味がわかってきました。H-E-Bは、自社のビジネスにしっかり取り組みながら、フードバンク活動にも関わり、革新的なプログラムを始めて、100万ドルという値段で1時間に25,000食を生産する機能を持つモバイルキッチン(写真)の購入や、自社の再生センターを使って大量の食品を毎日テキサスやメキシコのフードバンクに寄贈するなど、助けを必要とする人々に手を差し伸べてきました。それに加えて、H-E-Bでは、顧客がフードバンクに直接お金を寄付できるように募金プログラムも備えています。

H-E-B mobile kitchen
H-E-Bが、自然災害などに見舞われた地域への救済品の提供を行う際、この移動キッチンで現場での食品提供を行います。

このような研修やネットワーク育成の機会は、2HJにとってとても重要です。こういった機会から見えてくるのは、他のフードバンクも私たちの問題を共有し、他国で新しくフードバンク活動が始められる場合に、私たちから援助をすることもできるということです。

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2008.05.06

よく冷えた“温かい心”を届けるために

既に前号のニュースレターで報告しましたが、2007年12月にニュースキンジャパンから冷凍車の寄贈を受けました。それ以来、2HJの配送力は格段に増え、さらに配送できる品目に冷凍食品が加わり多くの施設の方たちに喜んでもらえるようになりました。

具体的には、アイスクリームや冷凍野菜、冷凍牛肉、冷凍菓子などの冷凍食品・冷蔵食品を寄贈してもらえるようになりました。冷凍食品は、長期間の保存ができるため大変重宝しますが、配送を行うには冷凍食品会社の厳しい基準をクリアしなくてはなりません。ですが、ニュースキンジャパンから寄贈されたこの冷凍車の性能は、その厳しい基準も十分にクリアできるものです。これまでも問題なく、さまざまな冷凍食品メーカーからの寄贈を受けてきました。

3月には、理事長チャールズ・マクジルトンと新スタッフの大竹くんが東京から九州の宮崎まで実に1,000キロ以上に及ぶ道のりを運転し、児童養護施設にアイスクリーム等を配送しました。その日は、その児童養護施設の新しい建物が完成し、落成式が行われる日でした。それにお祝いの意味も含めて食品をなんとか届けたかったチャールズと大竹くんは、途中、大阪、神戸などの施設にも寄りながら長い道のりを運転しました。その間、冷凍車はアイスクリーム等を一定の温度で冷凍保管し続け、しっかりと冷えた食品を届けることができ、こどもたちに喜んでもらえました。現在も次々と冷凍食品の寄贈申し込みが2HJに来ていますが、皆さまのサポートのおかげでそれらにも順次対応していくことができます。

サポートをいただいている皆さまの温かい心は、“よく冷やして”2HJが届けています。

記事:和田 裕介

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2008.04.21

2HJ大根収穫イベント: 農場での収穫から提供

引き抜いて葉をカット、根をカット。
列に並べる。
引き抜いて葉をカット、根をカット。
列に並べる。

食品工場の流れ作業のようなこの工程、実は、2月24日の日曜日、2HJの呼びかけに答えた約20人のボランティアが行った、農場での大根収穫作業のこと。約10トンの収穫が可能な畑から2トンを超える量の大根を収穫し、わずか3日後の27日までには、すべての大根を2HJの受給者に配給したのです!

daikon in field

翌週の日曜日、3月2日には、小学校から高校までの子供たち(と指導スタッフ)が畑に入り、さらに1.5トン以上を収穫しました。参加したのは2HJが食品を提供している複数の養護施設の子供たちで、自分の手で収穫し、とれたてを新鮮なまま食べるという貴重な体験を楽しんでいました。一方、施設のスタッフは、それぞれの施設での食事の材料に、たくさんの大根を持ち帰りました。

boxing daikon

2HJが、セカンドハーベストというその名のとおり、寄付される野菜のハーベスト(収穫)を行うのは、設立以来これが初めてのことでした。今年は霜が早く降りたため、大根の収穫期間が短縮され、全てを収穫できないまま整地の時期を迎えるところでしたが、幸い、良質でおいしい大根が連なる畑の一画を2HJのために提供してもらうことができました。

daikon line

2HJの理事長チャールズ・E・マクジルトンは、昔を振り返り、「このようなイベントを実現させたいと常々思っていた」と言います。その考えが実現に向けて動き出したのは、2HJスタッフの配島が、2HJに参加する前、宮崎県の農家で働いていた時に出会った唐沢氏(今回のイベントでの農場側の主催者)と再び交流を始めたことがきっかけでした。配島が東京に戻り、その後2人が再会した時、野菜づくりの話から、農家が自分たちのやり方で2HJの活動に貢献できるような機会はないだろうか、あるとしたらどのような方法がよいだろうか、という話に発展したのです。

農家は、農作物を育てるために膨大な時間と労力を費やしますが、それは、「親が子供を育て教育するのとよく似ている」と唐沢氏は言います。収穫期の人手不足や気候の変化が災いして、いままでの苦労が台無しになるのを見るのは、とても我慢ができないでしょう。ですから、2HJと協力することは一石二鳥の最善策だと思われました。畑に残された大根を収穫できるだけでなく、新鮮でおいしい大根が加わることで食卓が豊かになると喜んでくれる人たちがいるのですから。

daikon harvesting

参加したボランティアは、疲れと寒さを感じながらも、生き生きとした様子で働いていました。体の芯まで凍えそうな冷たい風に吹き飛ばされた土を全身にかぶっていましたが、東京に戻る前に近くの温泉に立ち寄るという楽しみもありました。畑に入って自分の手で大根を収穫したことで、ひと時であっても都市生活のストレスが解消されたと、みな口をそろえて言います。そしてたとえ数時間でも、甘いいちごや青々とした草原が田舎での生活のすべてではない、というやや驚くべき発見をしたのです。農家の生活はなかなか大変なものです。時には目が見えなくなるほど、そして大量の土や砂を飲みこんでしまうほどの強い風が、私たちに農業の厳しさをも教えてくれたのでした。

daikon harvest volunteers

初めてのイベントは成功に終わり、すべての参加者にとって、有意義で勉強になる、そして何よりも楽しい経験となりました。2HJでは、新たに生まれた農家の方との協力関係を継続し、将来的には、さらにほかの農場とのつながりを築いていくことも視野に入れています。

また、2HJはこのイベントを年2回程度の定期的な活動にしていこうと計画しています。私ももう一度、自分の体を使って働く、貴重な機会を得られることを楽しみにしています。その時には再び、地平線の向こうにそびえ立つ、雪に覆われた北アルプスの広大な景色を眺めることができるかもしれません。そのような日の終わりには、本当に実りの多い1日を過ごすことができたという、滅多にはない穏やかで満足した気持ちをもう一度味わいながら、倒れるように眠りに着くことになるでしょう。

文章・写真:パメラ・ラヴァシィオ

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2008.03.16

地味ですが、大切な仕事:金曜日の下ごしらえ

ちょっと自慢させてください。ご飯にポテトサラダ、卵焼き、おひたしなどの副菜、それに暖かいスープ。

これ、毎週土曜日に上野公園で行っている2HJの炊き出しなんです。その日に使用できる食材によりメニューが異なる場合もありますが、それにしても、なかなか手が込んでいるでしょう?

土曜日の炊き出しでの配給は、毎週ゆうに400食を超え、用意する食料はかなりの量になります。それには、炊き出し当日の調理だけでは間に合わないため、前日の金曜日にあらかじめ野菜を切ったり茹でたりといった下ごしらえをしています。

毎週金曜日、朝9時頃から、2HJ事務所にボランティアが集まり始めます。長机2脚とガス炊飯器を事務所脇の道端にセットし、包丁とまな板を持ったらいざ作業開始。その日に利用可能な生鮮野菜をおひたしやスープに使いやすい大きさに切っていきます。

fresh veggies

chopping daikon

また、ガス炊飯器でお湯を沸かし、ミックスベジタブルや小松菜などの冷凍野菜、また肉や卵、じゃがいもなどがあれば、それも茹でていきます。

cooked mixed veggies

調理場は戸外。冬場は相当に冷えますが、作業は和やかなムードで進められていきます。道端での作業のため、通りがかりの方に、この野菜どうするの?と尋ねられ、炊き出しや2HJの説明をすることもしばしば。
参加するボランティアは、主婦、大学生、親子連れ、外国人、転職の合間の社会人、会社を休職中の方など様々です。参加の動機、頻度、年齢や宗教などもそれぞれ異なりますが、現場では同じボランティア同士。作業はいたってシンプルなので、コミュニケーションを楽しみながら協力して下ごしらえを進めます。

Friday cooking volunteers

「世の中には、天から与えられた使命を持って誕生してくる人間がいる。たとえば、ガンジーやマザーテレサ、瀬戸内寂聴など。もしそういう事があるとしたら、チャールズ氏もそのひとりかもしれない。そのような直感をもってボランティアに来るようになりました。」1年前ごろから、毎週金曜日の調理に参加を続けるミッション・エルザさん。続けてこう語ります。「地球上には、飽食の国と貧困の国がある。他者のためにちょっとずつ愛を与えてあげられたら、心豊かな人生になるでしょう。」

なお、野菜をはじめ、炊き出しで使用されるほぼすべての食料は寄付で賄われており、2HJでは調味料など最小限のもののみを購入しています。

廃棄される運命にあった食料は、2HJへの寄付を経て、食料を必要とする人々の元へ届けられます。大部分の食料はそのまま、児童養護施設、女性シェルター、老人ホームなどの諸団体に配送され、それら団体から個人へ提供されます。また、寄付された食料の一部は、エルザさんなど金曜日のボランティアによる下ごしらえの後、土曜日の炊き出しで暖かい食事へと生まれ変わり、直接、栄養を必要とする人々の手に渡っていきます。

飽食の社会から一歩を踏み出して、余った食料を必要なところへ再配分する社会へと。善意、という言い方は大げさかもしれませんが、たくさんの企業と個人が、「社会の一員であること」を認識するところから始まる、エキサイティングな新しい社会システムの試み。その一端に、あなたもぜひ参加してみませんか?

文章/写真:吉田由佳里

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