2006.12.31

2HJのハーベストパントリーが家族や個人に食料を届けています

仮にあなたが、まだ6か月にみたない赤ちゃんを含む5人の子供の母親だとします。収入は、夫が1か月に稼ぐ20万円だけです。家計のやり繰りがどんなものになるか想像できますか。まず、給料の3分の1は家賃に消えてしまいます。さらに、光熱費を毎月払わなければなりません。その上、3歳の子供と赤ちゃんのために粉ミルクとおむつを買う必要があります。このほかにも、上の3人の子供の給食費や文房具代それに洋服代も必要です。たとえこれらの必需品を賄えたとしても、子供が病気にでもなれば、医療費を工面しなければなりません。家計を少しでも助けるためにパートの仕事を探そうにも、子供の面倒をみなければならないので、在宅でできる仕事に限られてしまいます。夫が稼いでくれるお金が文字通り家族の命綱なのです。

夫はまじめに働いてくれます。しかし、日雇い労働が多いので収入は安定しません。天気が悪ければ仕事はありませんし、夫が怪我でもすれば、それこそ入ってくるお金はなくなってしまいます。家族が食べていけるかどうかが、夫が怪我をしないですむことにかかっており、また、天候にさえ左右されるとなれば、四六時中心配しながら生活しなければなりません。

じつは、この例はライザ・バイタン* の家族のことです。2HJの最も新しいハーベスト・パントリー プログラムを通じて現在支援している40世帯(合計で週に約100人)のうちの1世帯です。「子供からおもちゃを買ってとねだられたら、もうちょっと待ってねと諭します」とライザは言います。「子供たちとの約束は決して破りません。でも、おもちゃを買うお金を貯めるには時間がかかります。毎月ぎりぎりの生活を余儀なくされていますから。」北米では、バイタンのような状況にいる家族はフード・バンクから緊急の食料援助を受けることができます。一方、日本には食料を十分に得ることができない人が65万人** いるにもかかわらず、緊急の食料援助ができる体制は、2HJがハーベスト・パントリーを始めるまでまったくありませんでした。

難民支援協会(JAR)のような団体が、食料を必要としている人の名前や住所および家族構成などを2HJに連絡してきます。それを受けて、2HJでは、食料を受け取る家族の宗教や食べ物の好みや食事制限などに応じて食料を箱詰めします。支援を始めてから3か月経った時点で、支援を受ける側のニーズに合っているかどうかを再確認します。梱包された食料は宅配便を使って定期的に送られます。「宅配便業者と非常に良い契約を結んでいて、支援先の個人や家族に食料を送るにはこれは何よりも効率的な方法なんです」と、ハーベスト・パントリーのコーディネーターであるミッシェル・ライアンは言います。20kgまでの食料なら500円で送ることができます。さらに、配達時間帯を指定できるので、受け取る人に都合の良い時間帯に配達してくれます。

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「毎週(2HJから)送られてくる食料のおかげで月に約15,000円節約できます。」とライザは言います。それに、普段は食べることのできない新鮮な野菜や果物や肉などを食べることができるのです。ライザによると、2HJから荷物が届くと、子供たちは大喜びするそうです。ライザのような状況にいながら十分な食料を手にできない人はまだまだたくさんいます。そのような人たちが必要なときに安全な食料を社会的に認容できる方法で手にできるように、ハーベスト・パントリーはこれからも成長し続けていくことが期待されます。

* プライバシー保護のため仮名を使用しています。
** セカンド・ハーベスト・ジャパンの調査に基づいた数値です。

文章:ライアン・フェイ
写真:和田裕介

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2006.10.08

クローズアップ-2HJとJARの協力により日本にいる難民が食料を受け取って

セカンド ハーベスト ジャパン(2HJ)は、大きな組織ネットワークを通して、強く必要とされる食べ物を必要としている人びとへ届けています。孤児院や老人施設、そしてホームレスの人びとに食べ物が届けられるのはよく聞きますが、他の国々から日本へ難民としてやってくる人びとのことはあまり知られていません。彼らとその家族は、日本難民支援協会(JAR)を通じ2HJから緊急に必要な食料を受け取っています。

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そこで2HJ事務局長の和田裕介が、難民はどのような人たちで、なぜ私たちの助けを必要とし、さらに、私たちがどのように彼らを助けることができるかを知るために、JARの増山聖子さんにお話しを伺いました。国連難民の地位に関する条約(難民条約)において難民とされる人びとは、政治、人種、宗教などの違いによって自国で迫害を受けてきた人たちです。ソーシャル ワーカーである増山さんによると、このような理由で日本に逃れてきた難民の大多数が30-40代の男性で、その多くは自国では指導者であった人たちだそうです。例にあげると、「民主化運動にかかわっていたビルマ人や、イスラム教からキリスト教へ改宗したイラン人」などがいると増山さんは言います。女性や家族の難民も増加していますが、自国から逃れる必要があるような彼らの状況では、しばしば家族を後に残し脱出するほかにすべがありません。

法的な理由や精神的トラウマのために働くことが出来ず、日本に住む平均的な難民の一ヶ月あたり10万円で生活をしています。健康保険もなく、支援してくれる人脈もほとんどありません。「政治的または宗教的な理由で自国を逃れてきているので、難民たちの中には、同じ国から来た人たちにも会うこともできない」人たちがいるとのことです。この孤立に重なり、飢えはこの様な人たちにはさらに深刻な問題です。彼らがまず必要なものは、米、肉、野菜、油といったものです。セカンドハーベストジャパンでは、長期保存ができるもの(肉や野菜は缶詰であること)に限り、これらの食料の寄付を受け付けています。

2HJは、JARをとおして問い合わせのあった難民に対して、受取り人の家に2HJボランティアが直接届けるホーム バウンド配達と、小包を宅配便で送る2つの方法で食料を届けます。ホーム bバウンド配達のボランティアをしたい方がいれば、歓迎します。また、宅配サービスはコスト面でも非常に効率がよいため、この活動を拡大する予定です。2000円の募金で、次の食事がどうなるかわからないでいる4家族の食卓に必要な食べ物を届けることが出来ます。

文章:パトリシア・デッカー / 和田裕介
写真:JAR

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