2006.11.13

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2006.08.11

アメリカのフード バンクにおける経験から学んだこと

二週間の米国への旅において、私はシカゴにあるアメリカズ セカンド ハーベストと北イリノイ州フード バンク、そしてミネソタ州セントポールにあるセカンド ハーベスト ハートランドを訪ねました。「これが非営利団体?」という第一印象を抱かせるほど、各団体はまさに大企業のような素晴らしいオフィスと効率的な組織構成を持っており、活動規模も巨大でした。たとえば、セカンド ハーベスト ハートランドは2005年度において約14,000トンもの食料を様々な機関や個人に配布しています。セカンド ハーベスト ジャパンは一方、食料を必要とする人々に同年約170トンを配布したのみです。

大規模な活動のため、アメリカのフード バンクは可能な限り高い専門性と効率性を追求する必要があります。そのため、高度に洗練された組織が必要となっているのです。アメリカのフード バンクについて知れば知るほど、私は彼らと日本とのギャップを埋めることなどできないのではないのではないかという不安に陥りました。しかし、現地の大勢の人から「だれかがどこかから始めなければいけないのさ」という言葉をもらい、私は非常に勇気付けられました。

活動の規模に加え、彼らのプロフェッショナルな姿勢にも私は非常に感銘を受けました。アメリカズ セカンド ハーベストは、全米フード バンクのネットワークをまとめる役割を担っており、数多くの部署があります。たとえば公共政策部門のある女性はワシントンDCでのロビー活動について熱弁を振るってくれました。エージェンシー リレーション部門のある女性は、エージェンシー同意書の作成やメンバー フード バンクのコンプライアンス保持のために、いかに多くの時間とエネルギーを費やしているかを説明してくれました。そして、彼女の部門では、たった6人で全米をカバーし、全てのフード バンクを訪問していました。その他にも今回様々なフード バンクを訪れ多くの人々に会いましたが、全員が本物のプロフェッショナルでした。彼らは自分たちの行っていることを誇りに思い、「飢餓を終わらせる」という同じ目標を心に抱いていました。

私は、自分が目にしたことに大変興奮し触発されました。そして、われわれセカンド ハーベストジャパンが今後すべきこととして以下の事項が重用だと考えます。

-規模の拡大
-食品の安全性の向上
-食品提供者との関係強化
-食品配布機関との関係強化
-個人の寄付者の開拓
-受給者がより簡単に食品を受け取れるようにすること

アメリカズ セカンド ハーベストで出会ったある2人は、アメリカズ セカンドハーベストを離れ、最近創設されたグローバル フード バンク ネットワークと呼ばれる国際的なネットワーク機関で彼らの持つ熱意と専門性を活かすという決断をしました。この機関では、アルゼンチン、ガーナ、メキシコ、南アフリカ共和国といった諸外国におけるネットワーク作りの促進を行います。このネットワークに参加するには、国内ネットワークが構築され、国のフード バンク代表が選出されている必要があります。近い将来、このネットワークに日本が参加できることを願っています。

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文章/写真:和田裕介

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経済合理性のあるフード・バンク活動

13倍のリターンを保証された投資機会があったとしましょう。

世界有数の投資銀行として、リーマン・ブラザーズは常日頃市場でのビジネスチャンスを見極め、その投資判断を顧客に提供しています。しかし東京で生活貧窮者に対して食事を配布するという チャールズ・マクジルトンのバリュー・プロポジション(価値の提供)は、リーマン・ブラザーズが投資家に提案するものと同等に価値のあるものだと思います。

セカンド ハーベスト ジャパンの浅草オフィスでチャールズに初めて会った時のことは今でも印象に残っています。東京で無駄に廃棄されている一日6000トンもの食料 を、たとえ僅かな量であっても、都内に50万といわれている食を必要とする人々にできる限り届けたい、とチャールズはその熱い思いを伝えてくれたのです。

食料1キロにつき平均100円という処分コストに着目し、これをうまく活用すれば、食料の大量廃棄に頭を悩ませる企業にとってコスト削減となるだけではなく、チャールズの活動運営費の13倍の価値がつくであろう余剰食料を、必要とする人々へ提供することによって、地域社会へ「利益」として還元することになるとチャールズは気付いたのです。

投資銀行家である自分にとっては、チャールズのこの考えは実に経済的に理にかなっているものだと思ったのです。

一方、セカンド ハーベスト ジャパンにも、リーマン・ブラザーズの目指す社会的役割、すなわち私たちが事業活動拠点をおく地域社会を最優先に支援する、という考えを理解していただくことができました。リーマン・ブラザーズが実施している社会貢献活動には、資金援助、社員によるボランティア活動、そして私たちの持つ専門知識と、人材や人脈などの人的資源の提供など様々な形があります。このような社会貢献活動は、社員の社会体験を豊かにするだけではなく、私たちに地域社会の人々と触れ合う機会をもたらし、お客様や株主を含む皆様との幅広い信頼関係が生まれてくると考えているのです。

アジアでは未だ非営利団体の活動はあまり浸透しておらず断片的ですが、資金力は限られているものの、人道的支援を必要とするアジアの多くの地域が抱える問題に真摯に取り組んでいこうとする、将来性や起業家精神に溢れた団体の活動を、私たちリーマン・ブラザーズはサポートしています。

児童養護施設や母子・父子家庭、ならびにホームレスに対する支援活動をすでに数多く行っているセカンド ハーベスト ジャパンは、リーマン・ブラザーズが目指す社会貢献活動を実践していく上でこの上ないパートナーです。両者のパートナーシップは広範囲に及びます。多くのリーマン・ブラザーズの社員がボランティアとしてセカンド ハーベスト ジャパンの活動に参加しており、生活困窮者のために食料を提供するという経験をしてきています。一方、私たちからは、セカンド ハーベスト ジャパンが今後より一層活動に取り組めるよう、専門的な運営アドバイスを提供しています。今年に入り、セカンド ハーベスト ジャパンがさらに多くの人々を支援できるよう、リーマン・ブラザーズ基金より2年間で91,000ドルの資金援助が提供されることとなり、両者の関係は一層強固なものとなりました。

チャールズの信念には大変心動かされました。この気持ちをより多くの人々と分かち合えることを願うと同時に、セカンド ハーベスト ジャパンの皆様と今後さらに一体感を持って活動していければと思っております。

Lehman_Brothers_volunteers
文章:ジム・クイズモリオ
写真:リーマン・ブラザーズ

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